東北大学大学院医学系研究科 大学院教育改革支援プログラム

Home >  大学院生の声 > 海外学会参加報告 小林 枝里

大学院生の声

海外学会参加報告
小林 枝里

この度、大学院教育改革支援プログラムから助成をいただき、第51回American Society of Hematology (ASH) annual meetingへ参加しましたので、報告致します。ASH annual meetingは世界各国からおよそ2万人が参加し、分子生物学から臨床研究まで多岐に渡る演題が発表される、血液学の分野では世界最大規模の学会です。

私は今回、血球形成に必要な転写因子の発現制御についてのポスター発表で学会に参加しました。血球形成を研究していらっしゃる先生が多いためか、発表内容の解説を求められるだけでなくご自身の研究結果と絡めたディスカッションをしてくださる先生が多く、発表者である私の方が、未発表の興味深い知見について教えていただきました。他の先生の口頭発表やポスターも自分の研究と関連の深いものばかりで、今後研究を続ける上で参考にすべき情報を数多く得ることができました。

とても充実した学会であったともに、一研究者としての自分の在り方を考える契機としても、今回の学会参加はよい機会となりました。演題のなかには自分や同じ研究室のメンバーとほぼ同じテーマの発表もあり、競合する研究者が世界中にいることを改めて認識させられました。すでに結果の蓄積されているそれらの研究の後追いにならないためにも、独自の視点を持って研究を発展させることの必要性を感じています。そして、自分の英語が不十分であることも痛感しました。ポスターセッションでは自分の意見を伝えるために最適な言葉が出てこず、円滑なディスカッションができなかったことを残念に思っています。英語の読み書きだけでなく、自由に英語を話せる能力が必須であると認識できたことも、本学会参加の有意義な点でした。

本学会は、研究のための情報収集の場としても、研究者として自分に足りないものを認識する機会としても、非常に貴重な体験となりました。このような機会を与えてくださった大学院教育改革支援プログラムと、渡航にあたってご尽力いただいた大学院教務係の皆様に、心より感謝いたします。

海外学会参加報告 小林 枝里