記念事業

百年の節目を迎えた本学医学部は、百年を振り返り「新たな医学部」の始まりへと繋ぐ記念事業を興しました。2015年(平成27年)9月5日の「医学部開設百周年記念ホール ―星陵オーディトリアム―」落成記念式典のほか、医学部環境整備、医学分館蔵書の充実など、研究・教育活動の場として医学部がさらに充実します。国際的な学際研究振興の地として、地域医療の一大拠点として新しい歴史を刻む本学医学部にご期待ください。

百周年記念式典

平成27年年9月5日(土)、東北大学医学部開設百周年記念式典・医学部開設百周年記念ホール落成式を医学部開設百周年記念ホール ―星陵オーディトリアム―(以下星陵オーディトリアム)にて、祝賀会を仙台勝山館にて挙行しました。記念式典には300名を越す来場者が参加され、盛大に執り行われました。
式典は、下川宏明医学系副研究科長が司会を務められ、下瀬川徹研究科長の式辞により幕を開けました。里見進東北大学総長の挨拶が述べられ、文部科学省高等教育局医学教育課長の寺門成真様、宮城県知事の代読として保健福祉部長の伊東昭代様、仙台市長の奥山恵美子様から祝辞を頂戴しました。
我妻吉弘東北大学施設部長より、星陵オーディトリアムの建築について、建築の仕様や、震災の影響を大きく受けた建設にいたるまでの経緯について説明がなされました。
里見総長、下瀬川研究科長、寺門教育課長、伊東保健福祉部長、奥山仙台市長によるテープカットを行い、念願であった星陵オーディトリアムの完成を祝いました。
「医学部開設から百年の歩み」と題して、山本敏行先生、平則夫先生、吉本高志先生の3名の名誉教授の方々に講演をいただきました。(レポートあり)
医学部百周年記念事業として、新たな医学部教育研究支援基金への募金活動の開始と医学系研究科女子大学院学生奨励賞の設置が報告されました。
つづいて行われた記念講演会では、(独)日本学術振興会学術システム研究センター相談役の黒木登志夫先生より、「研究不正」と題してご講演いただきました。(レポートあり)
その後、仙台勝山館へ場所を移し、記念祝賀会を行いました。下瀬川研究科長による挨拶にはじまり、国立大学医学部長会議常置委員会委員長 杉浦哲郎様、宮城県医師会会長 嘉数研二様、仙台市医師会会長 永井幸夫様、歯学系研究科長 佐々木啓一様よりご祝辞をいただきました。
ご祝辞をいただいた4名に、里見総長、歴代研究科長を加え鏡開きを盛大に行いました。
そして、植木俊哉東北大学理事による乾杯の後、祝賀会がはじまりました。
祝賀会後半には余興として、医学部生を中心とした音楽サークル 「星陵アンサンブル」が演奏を行いました。楽曲はハイドン作曲弦楽四重奏第39番「鳥」第一楽章で、優雅な演奏が歴史ある百周年の祝賀会に彩りを添えてくれました。

医学部環境整備

医学部6号館並びに東北メディカル・メガバンク棟の完成により、医学部の研究、教育環境は格段に向上しました。しかし一方で、古くから続く星陵地区の狭隘化は避けがたくなっています。かつて細菌学教室の石田名香雄が学生にスポーツを楽しませた「石田広場」は時代の流れのなかで教職員の駐車場に姿を変え、更なる駐車スペースなどを確保することは、改築前の古き良き時代を偲ばせる医学部周辺の美しい自然環境が、ますます損なわれることにつながりかねません。
そこで、本記念事業では医学部環境整備の1つとして、立体駐車場と駐輪スペースの整備を行います。
これは医学部の環境保全を考慮しながら進めるものです。エリアの緑をなるべく損なわぬ方向の開発で、医学部は学生や教職員など利用者の利便性と長い歴史の継承を両立させていきたいと考えています。

東北大学附属図書館医学分館

1915年(大正4年)の東北帝国大学医科大学の開設にともない、医科分館として設置された東北大学附属図書館医学分館は、何度かの改称や組織改変を経て、現在は医学部はもとより歯学部、加齢医学研究所などに所属する教職員や学生たちの利用する知識の拠点となっています。 また、1978年(昭和53年)からは、文部省から医学・生物学系外国雑誌センター館としての指定を受け、主として国内未所蔵外国雑誌を収集し、全国の大学、研究機関からの文献複写申し込みに応じています。
しかしながら現在の医学分館は老朽化が進み、頻回な雨漏れなども発生して貴重な蔵書の保管にも支障が出始めています。百周年記念事業ではこの医学分館蔵書の維持・管理を側面より支え、集積された知識の保護と次代への継承に努めます。

東北大学大学院医学系研究科女子大学院学生奨励賞の設置

東北大学医学部は、東北大学の「門戸開放」の理念のもと、昭和の初期から女子を入学者として受け入れ、女性医師・女性研究者を輩出してきました。しかしながら現在、医学系研究科の大学院生に占める女子学生の割合は約33%であり、依然として性別比の偏りが続き、女性教員になると職位が上がるにつれて女性比率が極端に低くなるのが現状です。
このような状況の中、優秀な女子大学院学生が自信を持ち、諦めることなく研究者キャリアの道を歩むことを奨励し、医学・医療等の分野で活躍する女性リーダー育成の一翼を担うことを目的として、「東北大学大学院医学系研究科女子大学院学生奨励賞」を設立します。
これからも東北大学医学部は「門戸開放」の理念を引き継ぎ、東北地方の医療・科学界における男女共同参画を主導していきます。

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